2016年3月14日月曜日

覚え書き 動物による除草について

 先日、動物による除草を試験的にするので、その事前調査に参加してみない?という話が来たので、下調べにネット徘徊した
 気になったページのメモと思ったことの覚え書き。なので当然結論はない。

 まずは、動物による除草そのものについて。
 なんか調べてみたらヤギを使う事例が多く出て来た。ヒツジは柔らかい草を選んで食べるが、ヤギはいろんな植物を食べてしまうので、除草目的にはヤギの方が使い勝手が良いようだ。



ヤギの飼育については、「全国山羊ネットワーク」というのもあるらしい。

 基本的には、除草したい場所の条件によって適不適はあるものの、なかなかいいですよ、というものが多い。利点としては、

  • ヤギは好き嫌いなくよく食べてくれる。
  • 機械による草刈りに起こりがちな事故の危険が少ない。
  • 刈った草の処分の手間、出費が不要。
  • 糞は肥料になる。
  • 乳製品も得られる。
  • 斜面など人が苦手とする場所も大丈夫。
  • 他の家畜に比べてヤギは丈夫
など。しかし、失敗した事例も。

 記事の内容は、悪臭だけでなく、ヤギの世話にかかる費用や人件費が嵩んだことも原因の様子。

 ここまでで上げたリンク先などを見てみると、デメリットとしては以下のようなことがあるようだ。

  • 糞や鳴き声、匂いなどの生物ゆえの問題。
  • 飼育のための諸費用(施設費など)、人件費が必要。
  • 生き物を健康的に持続的に飼育するための手間、人手、費用
  • ヤギは乾燥地の動物で、水辺は嫌う。
など。

 今回話題に上がった場所は、遊水機能と公園機能を併せ持った空間で、遊歩道や広場など人が使う部分と、河川や池とその周辺のヨシ群落などの部分がある。
 人がよく使う部分では、糞尿や匂いなどが問題になりそう。(不快感だけでなく衛生的にも。)
 ヤギは乾燥地の動物で水辺はあまり好まないらしいので、遊水地部分の草をヤギに食べてもらおうというのは、少し無理がありそう。

 当面では、人の利用頻度が高い所について動物による除草を予定しているそうだが、近隣住民からは、遊水地部分(ヨシ群落)の草刈りを望む声も上がってるらしい。見通しの悪さが治安や衛生の問題につながる危惧もあり、そういう意見が出るのももっとも。

 とはいえ、ヨシ群落ってそうホイホイ刈ってよいものか。ヨシ群落には、魚や鳥の生息場所というだけではなく、水際の侵食防止や水質の保全という機能もあり、保全の必要があるとされている。


 しかし、保全といっても全くの立ち入り禁止にすれば良いかというと、そうではないようだ。
 以前から人は毎年ヨシを刈り、利用のために持ち出していた。そのことが、結果、富栄養化や陸地化の抑制、ヨシ更新の促進となり、水辺環境の維持につながっていた。
 つまり、ヨシ群落を良い状態で維持しようとすると、結構な手入れが必要になってくる。

ヨシ帯保全における自然と人間との適度な関係

 逆に言えば、定期的なヨシ刈りをして、刈ったヨシを持ち出すということをしないと、ヨシ群落は年々富栄養化や陸地化がすすみ、陸地化は遊水地機能の低下につながる可能性がある。
 昔は使うから刈っていた。屋根を葺く、簾を作る、家畜の飼料、畑の肥料、あと楽器の材料(ヨシ原で大切なものはヨシだけではない)など。つまり、かつてはヨシを刈ることでお金が回っていた。

 今では、ヨシを刈っても、草刈機の燃料代や人件費、刈ったヨシの処分費用がかかる一方で、ヨシの利用が少ないためお金があまり入らず、持続できない。保全のためのヨシ刈りをするには、必要経費をどう賄うかが鍵になっているようだ。その工夫も始まっているみたい。

ヨシ紙を使ってヨシ原を守ろう!!

 和紙の他には、ヨシをあしらった合板もあるようで、天井に使ったりするみたい。なるほど、昔程使われなくなった簾をもう一度普及させるのも手だが、持続的に消費されそうな紙、建築や内装に使われる合板は、これからも消費が続きそうな気がする。

 あと、動物除草とリンクさせるのはどうか、と思ったり。つまり、ヤギやヒツジに除草させつつ、彼らが入り込まない水辺のヨシは人間が刈って飼料化する。育ったヤギやヒツジはから、ミルクとか、羊毛とか、糞(肥料)とか、(お肉とか、)頂けるようになると、循環して持続的になりそうだなぁ。


 調べてる中で気になったのはヤギ肉。おいしいらしい。食べたことないけど、下の記事見て興味が出た。

山羊地獄|さとなおのおいしいスペシャル
 
 そうだ、山羊のチーズというのも聞いたことがある。