2012年3月23日金曜日

学芸員が伝えること

昨日(2012/03/22)は仕事の行事で南阿蘇へ。私たちが開講している講座に外部講師をお招きし、受講者とともに散策しながらその地の自然、民俗、歴史を解説して頂いた。

 講師の方は、阿蘇たにびと博物館の梶原宏之さん。民俗学と文化人分類学などを専門とされていて、地域社会に飛び込み阿蘇の魅力を研究し、発信している方です。
阿蘇たにびと博物館http://www.tanibito.com/indexja.html梶原宏之さん
http://www.tanibito.com/office.html
 午前10時半からお昼までの短い時間でしたが、阿蘇たにびと博物館事務局周辺の魅力をいろいろとお話ししていただいた。中身が濃く、受講者それぞれに感動する部分があったようで、横で聞いていた私たちも非常に勉強になるところが多かった。お話全部を要約するのは大変なので、私個人が「ほぅ!」と思ったことを書き留めておこう。とは言ってもメモもとってなかったので一字一句そのままという訳ではなく、私の解釈が入っています・・・

スゴいモノをスゴいモノとして説明することは誰でもできる。
普通のモノを素晴らしく、スゴいモノとして伝えることに、学芸員の力量が必要であり、学芸員が解説する意味がある。


 スゴいモノとは、重文とか文化財とか天然記念物とか、モノそのものの価値が充分に検討されその貴重性が広く認められているもの、と言ったら良いか。そういったモノの説明は、誰がやってもその価値を伝えることができる。だって、モノそのものに充分すぎるほどの価値があるから、モノそのものが語ってくれる。

 それに対して普通のモノとは?昔から普通に続けられている生活や社会のさまざまな事、身近な生き物など、私たちの身の回りに普通にあるもの。それだけ聞くと、そんな普通のモノに価値なんてあるの?と疑問があがるかもしれない。けど、今の私たちが価値があると思っている事の中には、昔は普通だったというものがたくさんあるのではないだろうか。

 レッドデータブックに掲載されるようなタガメやゲンゴロウの仲間なんて、昔は田んぼに普通にいたのではなかろうか。今では、ボランティアを募って行っている阿蘇の野焼きも、かつては生活を支えるための重要なイベントであり、地域社会の構造に大きく影響するモノではなかっただろうか。

 普通のモノ、私たちが普通と思っているモノ。その中には、非常に価値あるモノがたくさん隠れている。それを掘り起こし、「スゴいよ!」と伝える事は、学芸員の重要な仕事である、というのが上の言葉の意味なのだろうとおもった。

 私たちは、以前は普通にあったモノが無くなって、あるいは無くなりかけて初めてその価値を再確認し、保護する事が多い。もちろん保護し、後世に伝える事は大事だが、そのものが無くなったり、存在意義が無くなる前にその価値を見いだし、広く知らしめ、存続させる事はもっと大事なのではないか。

 今普通にあるモノの、価値を見いだし、知らしめ、存続させる。博物館、そして学芸員の仕事は何を目指すのか、いろいろと考えさせられた一日だった。

2012年3月22日木曜日

ビーチコーミング

ビーチコーミング(もどき)をしてきた。

このところ三男が病気続きで、遊びたい盛りの次男が家に缶詰状態だったので、これではかわいそう!と無計画で家を飛び出した。

上天草市大矢野町へ。久しぶりの天草、とっても遠く感じた。
大矢野町の海岸。
ビーチコーミングでも、とおもって海岸へ。岩場が面白いんだろうけど、安全第一で浜へ。もう潮が満ちてきてますよ・・・

まだ3月なので海に入るなよ〜、っていっても、4歳の子どもが言うこと聞く訳もなく、靴のままじゃぶじゃぶじゃぶ・・・

石の裏。貝がぺたぺた。


次男は貝殻やウニの殻を見つけたり、イソギンチャクに指を突っ込んだり、ヤドカリを追っかけたり楽しめたようです。最後までカニは触れなかったけど・・・

帰りはさんぱーるに寄ってお買い物。とおもったら、閉店間際のためか物がない・・・柑橘類(ポンカンと不知火)、どら焼きを購入して帰った。
上天草物産館さんぱーる
http://www.sunpearl.jp/

柑橘類ももう終わりだねぇ。


やっぱり子どもは、ほんの短い時間でも自然に触れさせないと、とあらためて感じたな。目の輝きやはまりが普段と違う。普段と違う刺激は子どもの成長にとってプラスになるだろうし、自然の中にはその「普段と違う刺激」がたくさんつまっている。

多くの人に自然に興味を持ってもらうための仕事をしているのに、自分の子どもにちゃんとしなかったらダメだよなぁ。紺屋の白袴だ・・・