2014年4月27日日曜日

熊本市立城南図書館へ行ってきた

前回の熊本市塚原歴史民俗資料館のついでに、熊本市立城南図書館へ行ってきた。
城南町が熊本市に合併されたあと新設された図書館です。新しいってどんな感じかな?ということで。

熊本市立城南図書館
http://jonan-library.com/
一つの建物の中に、熊本市城南児童館と併設されている。写真の撮影はいいか?と聞いたところ「ダメ!」だったが、パンフレットやホームページの画像は使っていいということだった。

 まずパンフレット。三つ折りのものを拡げて
反対側

 とにかく新しいだけあって、綺麗だね。あと天井が高く、上の方に窓があるので明るい久手雰囲気もいい。

 入口から入ると、左手に書架が二列に並ぶ。そして入口に近い方から、幼児用、児童用、と本が並び、奥が一般(大人)用となっている。パンフの写真からは見にくいので、ホームページから少し加工して流用。

熊本市立城南図書館の内部。書架が整然と並ぶ。(ホームページの画像に書架の高さに関する記述を加えた)
写真の左手が入口側。
 一番左は幼児用の書架。下に二段(黄色のライン)。上は平置き用というのか、表紙を見せて置く場所で、この部分の高さまで入れると児童用の書架と同じ(緑のライン)。また、別室のお話コーナーもあり、子どもへの読み聞かせも気兼ねなく行えるのではないかな?
 少し奥に行くと児童用の四段ほどの書架(緑のライン)。この付近には、写真でも分かるように子供用の机と椅子が設けてある。
 奥は普通の大人用書架(赤のライン)。

 大抵の図書館でも、このような区分けはしてあるのだが、この城南図書館は配置がシンプルで使いやすそうな印象だった。やはり、設計段階からキチンと考えられていたんだろうな、と推測。
 訪れた時間が平日の昼間ということもあるだろうが、小さな子どもを連れたお母さんが多かったように思う。
 あと、新設だからか、ホントに本が綺麗(新しい)。これはうれしい。

 さて、この熊本市立城南図書館、指定管理者制度によって運営されている。指定管理者は「城南図書館管理運営共同企業体」。適当にネットで検索してみると「(株)パブリックビジネスジャパン」というところが請け負っているようだ。実績紹介をみると熊本の施設がいろいろ出てくる。なんで名前が違うのよ?とは思うけど、「共同企業体」なので一社で指定管理者になっているのではないということか?

 なんで指定管理者を気にしてるかというと、要はお隣の県のある市の件があったり(佐賀県武雄市の問題について)、身近に指定管理者制度の話が出て来たりしたから。隣県については、最近さらに香ばしい問題?も露呈したようで・・・(武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定)。

 決して、この城南図書館がどうとかではなく、うまくいってるのなら、何故うまくいってるのか知りたい、と。

2014年4月25日金曜日

熊本市塚原歴史民俗資料館へ行ってきた

 先日、春休み中の息子(高校一年)を連れて熊本市塚原歴史民俗資料館へ行ってきた。

熊本市塚原歴史民俗資料館
http://webkoukai-server.kumamoto-kmm.ed.jp/web/tsukawara/index.htm

 もとは城南町歴史民俗資料館だったが、平成の大合併で城南町が熊本市と合併したことに伴い、熊本市塚原歴史民俗資料館へと名前が変わったそうだ。ちなみに「塚原」は「つかわら」と呼ぶらしい。パソコンで変換できん・・


 敷地の入口には、高床式倉庫や竪穴式住居の復元がある。
いつも思うんだけど、発掘されるのは建物の基礎だろうから、上の部分はどのように復元してるのかな?と。

 建物の中に入り、入館料を払って、施設の説明を受ける。一階に民俗展示室と歴史展示室、二階に考古展示室があるとのこと。

民俗展示室。狭いところにぎっしりと。
民俗展示室は一階の一角。狭い。様々なものがところ狭しとおかれている。ストーリー性はあんまりないかな?

歴史展示室入口
一階のもう一部屋は歴史展示室。やはり狭い。中世、近世、近代を扱う。瓦製の狛犬とかあった。

歴史展示室の一角

 二階に上がり、考古展示室。この博物館自体が塚原古墳群の中にあることもあり、この施設の展示のメインは、考古展示室。一番広い。

考古展示室入口
入口を通ると、大きな石棺や様々な土器が展示されている。この部分ではあまりキャプションなどはなく、考古学への誘い、といった感じ。めっちゃ大きな須恵器大器もあった。

入口付近の土器展示。雰囲気よく。
展示室全体をパノラマで撮ってみた。こんな感じ。

 入口付近から見たらこんな感じ。
考古展示室。明るく、見やすい。この明るさは見る側としては好き。

 展示は、旧石器時代から始まる。展示に使われている城南町周辺の旧石器時代の出土物は、かの有名な旧石器捏造事件(リンクはwikipediaにとびます)の後に発掘されたもの。事件後、多くの発見や説が疑われ、日本の旧石器時代がどのようなものだか分からなくなったころに発掘が行われ、旧石器時代研究の再出発のような位置づけになっているそうだ。

いろんな石器
土器もたくさんある。縄文土器といえば、その名のごとく縄目の文様を想像するが、この周辺ではそのような土器は少ないようだ。(縄目文様の土器や火炎式土器は、大体が日本のもっと北の方で出土しているものだ、と聞いた覚えがある)そんな、熊本周辺の文化ともいえるような特徴ある土器がいくつもあるのは興味深かった。
土器の底に残るクジラの脊椎版のあと、だそうな。
気になったのは上の写真。土器の裏にクジラの脊椎板の跡がついているそうだ。すとランディングしたクジラから得た大きな背骨を台座にして土器を作ったようだ。
 
土器のディスプレイ。もー少し解説が欲しいかな?雰囲気はいいんだけど
上の写真は土器の展示。すっごい雰囲気いいんだけど、土器の名称しか書いてなくて説明がない。他のところで土器の説明がないか、展示室を探しまわってしまった。

(感想)
 正直、歴史とかはあまり興味なかったんだけど、楽しめた。子どもの頃、狩猟採集の時代が好きで、いろいろ本を読んだり、調べモノしてたことを思い出して、かなり楽しかった。
 考古の展示室は、什器も凝っていて見やすく、雰囲気よかった。一方で、考古のことをほとんど知らない立場からは、説明が少なく、不親切と感じることも。でも、個人の好みかなぁ。逆に自分が展示に携わると、説明が多くてうるさい印象のもの作りがち、ということかもしれない。

2014年4月12日土曜日

担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意(埼玉県)で思ったこと

twitterをつらつら眺めてたらこんな記事が
担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意
http://www.saitama-np.co.jp/news/2014/04/12/01.html
(以下引用)
 県西部の県立高校で50代の女性教諭が長男が通う別の高校の入学式に出席するため、担任を務める1年生の入学式(8日)を欠席していたことが分かった。新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。 
 県教育局によると、県内の県立高校では、ほかに男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に休暇届を提出し、勤務先の入学式を欠席した。 
 関根郁夫県教育長は11日に開いた県立高校の校長会で「担任がいないことに気付いた新入生や保護者から心配、不安の声が上がった」と、この事実を報告した上で「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。 
 関係者によると、入学式の担任紹介の中で校長が女性教諭の欠席理由を説明。女性教諭は「入学式という大切な日に担任として皆さんに会うことができないことをおわびします」という文章を事前に作成し、当日、別の教諭が生徒らに配ったという。 
 来賓として入学式に出席した江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨。 
 県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」としている。


 まあ、なんだかとても違和感があるので。記録代わりにやや毒舌で記しとく。

新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。

なぜ天秤にかける。「私と仕事、どっちが大事なの?」に似てるな。比べるなよ。先生だって一人の人間で、家族を持ち、その家族を養いあるいは育てる生活を送っている、というのは想像できないのだろうか。自分がわが子の入学式に出るのは当然、でも教員はダメ。わが子を育てることを、先生には認めないというのだろうか。
 これを天秤にかけて判断していいのは、当人だけじゃね?親という立場にありながら、同じ親の立場にもある先生に対し、自分の子は捨て、他人の子のために尽せ、と平気で言える感覚は、異常に感じる。
 自分に置き換えてみて想像してみると、どちらの判断をしても納得できるんでないかい?

「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。

この件で一番注意されるべきは、担任の決定などをした学校の執行部だと思う。何故高校一年の子がいる先生を高校一年の担任に就けたのか、と。間違っても、休みを許可した事に、ではない。
 そして注意を促した相手は校長だよね?学校の執行部だよね?高校一年の子どもがいる先生に高校一年の担任を任せるような、学年やクラスの運営上問題がありそうな状況をわざわざ作るなって、言ったんですよね?まさか当の教員相手に「お前の子の年齢などしらん、学校運営最優先」、「トラブルありそうだったら、自己犠牲でカバーしろ」と言うのつもりじゃないですよね?
 大体、もう高校生なんだから一日担任がおらんくらいで不安になるな。担任おらんでも副担おるから大丈夫。
 ていうかさー、このくらいの配慮はしてあった気がするんだけどなぁ(他県だけど)。連絡や情報交換がなされてなかったのかなぁ・・・

県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」

いやいや、これは職務案件の優先順位の話じゃないから。生活をして子どもを育ててる人間の人生上の話だからさ。それをごちゃ混ぜにして「教員としての優先順位」とか言っちゃったら、もうブ○ッ○企業とかわらんやん。ダイジョブか?ヤバい認識になってないか、不安だぞ。

来賓として入学式に出席した江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨。

県議員ってさ、県民の投票によって選ばれ、県民一人一人の生活のために働く仕事なんでしょ?この教諭だって県民の一人じゃない。それなのに「教員なんだから自分の子をないがしろ」とも受け取れる言葉で一教員を攻撃するなんて、あまりほめられた行為ではないと思うぞ。県議員としての自覚や倫理観が欠如してんじゃない?ってブーメランが返ってくるよ。
 あと、管理責任って何?先生は事前に手続きしてて、何も悪い事してないでしょ?。わが子より学校行事を優先させることを強制できなかった責任か?
 それに、欠席理由を聞いたら普通の子は「しょうがない」と思うぞ(たぶん)。人それぞれに大切な家族があることを理解できてる歳だと思う。少なくとも自分が高校生くらいのときは、家族をほっぽる教師は信用してなかったな。むしろ軽んじてた気がする。逆に子どもや家族を大事にする先生に対しては、寂しいと思うこともあったけど、信頼できる人物としてうつってた覚えがある。
 

 最近毒はいてないので、吐いてみました。権力ある人に嫌がらせされるといけないので(隣県の某市長とかの例もあるしさ)謝っときます。ごめんね。

 思うに、いろいろな価値観が変わってきているんだよね。私の一回りか二回り上の教諭経験者と話すと、「子どもに何もしてやれなかった、行事も一切出なかった」、「でも伴侶や親戚、近所の人が助けてくれた」という話が出てくることが多い。教員はわが子よりも教え子を優先するのが当たり前だったし、それを親族や地域が支えることも当たり前だったのだろう。「家庭より仕事」、それが当時の優勢な価値観だったのだろう。
 今は、どうだろう。人の移動も大きくなって、いままで支えてくれた血縁関係や人間関係のある地域から離れて生活する人も増えているのではないか。それなのに、ワークライフバランスなどという言葉もあり「家庭も仕事も」やっていくのがいいという価値観に変わってきた。
 となると、組織は働く人の(今回の場合は、学校は先生の)ワークライフバランスが保てるよう配慮すべきではないか。今回はそこがうまく機能していなかったということではないだろうか。