遠くにヤマザクラがけぶって見えた。
釣れない時間が長かった。とても長かった。
こんなに釣れなくていいのかというくらい釣れなくて、結果はセイゴ1、フナ1。フナはどうしようかと思ったけれど、食べてみようと思って持って帰った。
なぜ、フナを食べようと思ったのか。
<理由1>:以前読んだ本で、とてもおいしそうだと思った。
「仁淀川漁師秘伝―弥太さん自慢ばなし (BE‐PAL Books) 」
2000年発行、もう18年も前の本なのか。この中で、子持ちのフナの甘露煮の話が出てて、とてもおいしそうだと思ったから。
料理をするにあたってもう一度読み返そうと思ったけど、本が見つからない。熊本地震本震で部屋中の本棚がひっくり返った。その後、とりあえず本棚を戻し、本をテキトーにつっこむ作業をしたあと復旧作業をしていないので、今現在どの本がどこにあるのかさっぱり分からない・・・どうにかせんといかんなぁ。
なにはともあれ、とてもおいしそうなことが書いてあった気がする。特にお腹の卵がおいしいと・・・
で、折しも季節は春、フナの産卵期。釣り上げたフナはお腹がぽってりとしている。これは千載一遇のチャンスではないだろうか!!
<理由2>:ネットでフナ押しのブログをみた。
最近、「野食」のページをよく読む。みてて楽しい。やってみたくなる。その中で、フナの話題が出てきた、というかフナを押しまくっていたので気になっていた。
鯉こくならぬ「鮒こく」を作ってみた:筑後川水系のフナを美味しく食べよう①|野食ハンマープライス
フナをシンプルに干して、焼いて食べてみた:筑後川水系のフナを美味しく食べよう②|野食ハンマープライス
さて、調理。もちろん、子持ちブナの甘露煮。でも、本が見つからずレシピが分からない。まあ、こんな時は感ですよ。
ネットでフナの料理等を検索すると、どうもフナやコイなどの流通は活魚が前提らしい。死んだらすぐ臭くなると。しかし、活かしておくためのバケツを持ち合わせていなかったのでクーラーボックスで持ち帰った。帰宅して確認すると、幸い(?)まだ生きていたので、えらの部分に包丁を入れ、水を貼ったバケツに入れて血抜き。その後、鱗を採って腹を開いて内蔵を取り出す。とりあえず体表のぬめりがすごい。ケガしそう。そして予想通り、大量の卵を抱えている。
処理が終わったフナ(卵は腹の中に卵は残している)をガスコンロのグリルで白焼き。
ある程度焼けて表面に焦げ目がついたら、醤油、砂糖、みりんを合わせた甘辛いたれで煮る。今日は、醤油1、みりん1、水1、砂糖テキトーの割合。うろ覚えの本の内容を思い出すと、どうも長時間とろ火で煮て骨まで食べれるほど柔らかくすると書いてあった気がするけど、それまで待てない。あっさり夕飯の食卓に並ぶ・・・
感無量です。18年前、食べたいと思った料理が目の前に、しかも材料調達から自力で・・・。
<良かった点>
- 大きさは20cm強くらいだったけど、結構食べ出がある。体高がある上に、結構身が厚い。
- 別に臭くない。一度焼いたのがよかったのか?、処理がよかったのか?、素材がよかったのか?
- 素直においしい。味が良くて濃い。このあと食べたセイゴの塩焼きがかなり淡白に思えた。(こってり醤油味のあとの塩焼きで比べるのに難はあるが。)
- 卵たくさん。ほんとにたくさん。うれしい。
<いまいちな点、改良点>
- 噂に聞いたY字の小骨。気にかかる。時間をかけて骨ごと食べれるほどにしたらいいのかも。
- 鱗が口にかかる。ちゃんと丁寧に下処理しろ、我ながら。
- 卵が硬い。卵巣の状態(いわゆる筋子や明太子の状態)で煮てるんだから、ぎゅっと硬くなって、中に味が染まないのは当たり前。これも時間をかけて煮ればいいのかも。あるいは火を通す前に包丁でところどころ切れ目を入れておくとか・・・
結局、いまいちと思った点も、素材にあった調理をすれば良いんじゃないの?というものばかりだし、全体的な判断としては「フナっておいしいじゃん」という感じ。また子持ちが連れたら持って帰りたい。
ごちそうさまでした。