2012年7月26日木曜日

武雄市の新図書館構想について、思ったこと(1)


ちょっと前から、気になってのぞいていた出来事。
武雄市が、市立図書館の運営をカルチュアコンビニエンスクラブ(CCC)に業務委託する、という話。CCCはTSUTAYAや蔦屋書店といった方が分かりやすいか?

最近、図書館や博物館などの文化や教育に関わる公的な施設の運営を、外部の民間業者に委託することがある。運営を委託された民間業者を「指定管理者」とよぶ。

博物館系の施設に働いているため、文化および教育施設の指定管理者制度に興味があり、また個人的にはしっくりこないところもあるので、何となく気になっている。そのことをtwitterで呟いたら、ある議員さんから「最後には、そのまちに暮らす人たちに、図書館についての、しっかりした考えをもってもらう」という言葉を返して頂きました。そこで、熊本市のことではないし、自分が考えるための覚え書き的な内容なんだけど、少しでもたくさんの人にとって興味を持つきっかけにでもなれば、とおもい公開します。

また、これについては、実はネットでえらく盛り上がっていて、「武雄」や「図書館」などの語で調べるといろいろ出てくるので、より知りたい人は調べてみるといいかも。twitterをしている人は#takeolibraryを検索。


今回は、この武雄市の新図書館構想についてメモ書き。

この新図書館構想、CCCの豊かな書店経営ノウハウを生かし、市立図書館をより良くしようというものらしい。
新図書館構想発表の様子はUstreamで見ることが出来る。
http://www.ustream.tv/recorded/22331428

CCCの発表はここ。
http://www.ccc.co.jp/company/news/2012/20120504_003337.html

業務委託により九つの市民価値を実現するそうだ。
  1. 20万冊の知に出会える場所 
  2. 雑誌販売の導入 
  3. 映画・音楽の充実 
  4. 文具販売の導入 
  5. 電子端末を活用した検索サービス 
  6. カフェ・ダイニングの導入 
  7. 「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入 
  8. Tカード、Tポイントの導入 
  9. 365日、朝9時~夜9時までの開館時間
武雄市の市長はものすごく画期的構想として発表していますが、実はこのいくつかは、すでに全国のどこかの図書館で実施されているようです。この問題について、真剣に考えている方がいろいろ調べて、情報を公表しています。
公立の図書館はがんばっている
http://togetter.com/li/300177

これによると、1. 20万冊、2. 雑誌販売、3. 映画・音楽、4.文具販売、5. 電子端末、6. カフェは、民間に委託しなくても実現できている図書館があることがわかる。また、9. 365日朝9時〜夜9時は、365日は無理でも、開館時間の延長はがんばっている館が多いことが分かる。


ふ〜、がんばってるなぁ。


さて、のこりを見てみる。


7. 「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入 、ってなんなのか?その主要なひとつは、個人や利用者全体の貸し出し履歴を用いたレコメンド(推薦)機能のことらしい。「この本を借りた人は、これも借りてます」とか、以前借りたものから類似書を紹介するようなこと。便利といえば便利。

ただ、図書館が扱うさまざまな情報のうち、貸し出し履歴は個人情報として図書館が最も厳重に扱うもののようだ。法律ではないが、次のような宣言がある。
図書館の自由に関する宣言
http://www.jla.or.jp/portals/0/html/ziyuu.htm
その第3に「図書館は利用者の秘密を守る」とあり、貸し出し履歴をおいそれと人に見せたりはしないようになっている。貸し出し履歴は本の返却とともの消去されるそうなので、その情報を蓄積し、利用するなど普通はしないことのようだ。

そんな状況でも、がんばっている館はある。
2009年6月27日(土)より「おすすめリスト」始まる。
http://www.library.narita.chiba.jp/news/2009/n-20090627_recommendation.html
これによると、

 1)図書館では通常,貸出記録は返却と同時に消去
 2)貸出履歴利用の可否は,自身で管理できる
 3)貸出履歴はおすすめリスト作成のためだけに使用し,ご自身だけでなく業務システムからも閲覧はできない。
 
と、条件を満たしつつレコメンドを実現している。
いろいろな枷があっても、なんとか乗り越えてるんだなぁ


ということはCCCに委託して実現したい市民価値とは、「8. Tカード、Tポイントの導入」のみ?確かにこれはCCCじゃないと出来ないなぁ・・・なんて(笑)

さて、新図書館構想をみて思ったことは、他の自治体の先進的な図書館の事例を集めたもので、その内容のほとんどは自前で実現できるのではないだろうか、ということ。かといって、財政難の時代。任せられることは任せて予算を削減し、サービスの充実に注力するのも手かとも思う。





以下、まとめながら疑問に思ったこと。後日またブログを書く(と思う)

  • 貸し出し情報とプライバシーの問題。なんでそんなに厳密なんだ。
  • そもそも、公立の文化教育施設の運営を外部に任せていいもんか。



2012年7月11日水曜日

手拍子って、面白い!!

最近、いいなぁと思っているアーティストの曲をよくYouTubeで聞いている。
http://www.youtube.com/user/playyouhousejp

その中で、歌っている様子がとても楽しげで、お気に入りなのが「胸騒ぎナビゲーション」
http://www.youtube.com/watch?v=EkT7tnpipPM&feature=plcp

自分は、うたは好きだけど、ややオンチだし、楽器も弾けないし、楽譜も読めないので、あえて言えばカラオケで楽しむ程度なんだけど、この「胸騒ぎナビゲーション」を聞いて、音楽ってもっと気楽に楽しめるんじゃないか、と感じた。

オープニングで、楽しげに手拍子でリズムをとる所がある。主となる拍子をとる子にあわせて、4種類ほどの拍子をとってて、複雑なリズムを作っている。

音楽を学んだ人には当たり前なのかもしれなしけれど、音楽に疎い自分からすると驚きだった。一人一人を見てみてると、誰でも出来そうな簡単なリズムで手拍子を打っている。それで、こんな楽しげなリズムが作れるなんて!!

やってみたくなった!

2012年7月9日月曜日

幼い子どもの博物館体験

職場で企画展示を行った。
職場は熊本県松橋収蔵庫
熊本県に県立博物館を立てるため準備が始まったはいいが、ある時期から瞬く間に財政状況が悪化、現在は現在県立博物館計画は凍結されている。しかし、すでに60万点あまりの資料が集められていた。松橋収蔵庫は、それらの資料の整理、登録、そして活用を行っている。

その松橋収蔵庫で、企画展「くまもとの外来生物」を作ることに携わった。
しかし、博物館として箱がある訳でなく、なかなか集客が厳しい。そこで、こういった企画展をひらくと、知り合いや親戚に声をかけて来館してもらうこともしばしば・・・
で、わたしは家族に来てもらった。そのときの感想。


予想は、長男(12)は歳相応に見てくれる、次男(4)は見れるかなぁ?、三男(1)は見ないだろう、だったが、意外だった。


三男が一番興奮している。外来生物の展示ということで、動植物の標本が並んでいるのだが、「わんわん、にゃんにゃん」(四足動物のこと?)、「ちょちょ」(蝶?)、「ちゅんちゅ、ちゅんちゅ」(鳥?)、「むし、むし」(昆虫?)と、声かけ、指差しをしながら、小一時間展示コーナーを走り回った。


それを見てたら、ああ、博物館ってこういう役目もあるののだな、思った。学校教育では習わないようなことを提供するだけでなく、学びの場へ誘い敷居を下げることや、未就学児童の情操教育といったことも、社会教育を担う博物館の役目ではないかと。


で、調べてみたら、そういうことに取り組んでいる所がありました。
こそっと研(子育てがもっと楽しくなるミュージアムづくり研究会)
博物館の利用者として、0,1,2歳児とその親、つまり「親子」をターゲットにしていろいろな調査や取組を行っている。

ちょっと、いろいろ考えていきたいと思った。