無知故に、知らないうちに観察対象に過剰な観察圧をかけてたってことが無いように気をつけたい。特に猛禽類は。でもそういうの(警戒時の行動の変化など)は図鑑に書いてないから、やっぱり観察経験が多い人や調査系の人の話を聞く機会があればいいよね。— ねねこ@ (@noahsun_bird) November 14, 2019
ある生物を観察したり、写真撮とたりする際のなんらかの行為が、その生物に良くない影響を与えるなんて、よく聞く話。ツイートで言われているように、それなりに知識のある人に話しを聞けたり、レクチャーを受けたりする機会があると本当にいいと思う。
こういった機会を提供できるものの一つとして、動物園があるのではないかな、という気がする。そのきっかけは、最近よく行く動物園での(ちょっと悲しい)体験だった。
その動物園には人が入る形式の鳥舎がある。かなり広い面積をでっかく金網で囲っており、鳥を見るために人間がその中に入り、コースを散策するというもの。中にはクジャクやサギの仲間がいたように思う。そこに、子供と一緒に入ったときのこと。
子供が止まり木にとまっているクジャクを見ていた。子供はこれまで、こんなに大きな鳥を、隔てるものなく、間近で見る経験は初めてで、自分が顔を近づけるとクジャクは顔を背けるような反応示すことに気づいて、何度か試していた。私は、子供が鳥の反応に気づき、興味をしてしていることに嬉しく思いつつも、動物を驚かすのも良くないので「ほら、怖がってるよ、良くないんじゃない?」などと声をかけていた。
そこへ、背後から近づいてきた飼育員が、突然子供に向かって「やめてくれませんか、怖がってるの分かるでしょ」と注意してきた。注意といったが、その口調と表情はあまりに厳しく、小学生に対する物言いではない。明らかに「威嚇」・「恫喝」と呼べるほどのもの。「わかっていますよ」とわたしが返事したら、そのまま黙って出て行ったけれども、いったいその飼育員は何がしたかったのか。鳥を追いかけ回したり、捕まえたりしていたわけではない。足音を立てないようにゆっくり歩いていたし、追いかけるような位置取りになりそうならば、歩みを緩めたり、進路を変えたりしていた。わざわざ小声で話すほど気を使っていた。それなのに、この仕打ち。
では、来園者としてどうして欲しかったか。やはり、教えて欲しかったというのが一番。首の動き、目の動き、脚の動きが、その鳥のどんな状態の現れなのかを教えて欲しい。警戒、怯えか、あるいは逃亡や攻撃の準備なのか、それらの動き出た時には、私たちはどう行動を改めるべきなのか、そこをしっかり教えて欲しい。今回の経験によって子供が得られたことは、「怖いおっちゃんが凄むから、鳥に近づいてはいけない」である。動物園の方々は、来園者にそんなことを学ばせたいのだろうか。ちがうでしょう?
今回の、鳥の感情と行動のこと一つにおいても、これをしっかりと動物園側が伝えられていたら、動物をとりまく人間社会にとってどれほど有益だったろうか。単に鳥への接し方からはじまり、鳥や野生動物への関心の広がり、動物園での職業(飼育員や獣医師等)への興味、生物学や獣医学、農学など動物と関わる事物への関心の深まりなど、個別に数え出すと枚挙に遑がない。来園者への対応は、社会の発展に対してものすごい可能性を秘めているものだと思う。
動物園の職員は動物を飼育し命を預かる職業なので、動物のことをとても大事に思うのは理解ができる。しかし、そうではあっても、場所は動物園、来園者に見せるための施設であり、来園者へのサービスを優先して欲しい。来園者へ、動物との接し方を誠実に伝えていくことで動物に関心を持つ人々が増え、ひいては飼育員がのぞむような、動物にとって好ましい環境で飼育することのできる社会の実現に近づけるのではないか。そう思えてならない。
動物園の皆様へ。私は動物を学びたくて動物園を訪れています。動物のプロとして、たくさん教えてください。怒らずに。
宜しくお願いします。