当初、滋賀県の鮒鮨や和歌山県の鯖寿し、東北地方しょっつるあたりの話かと思いこんでたら、もっと世界規模の広い視点のお話だった。副題に「モンスーン・アジアの食事文化」とある通り、アジアに広く広がる、魚介類の発酵食品の食文化や歴史をテーマにした本で、専門的な研究の成果に基づいているので難しい部分はあるけれど、研究成果を広く知らしめるために編まれた本だった。
第一部と第二部は、各地のナレズシと魚醤の事例紹介の項目で、数々の調査事例が紹介されている。事例紹介なのですね、文章の形式が単調な繰り返しっぽいところがあり、少々眠たくなった。しかし、細密な調査の結果なので、ナレズシ、魚醤と括られる食品の多様性がわかる部分。
個人的に面白いと感じたのは、第三部以降。食品の成立の背景となる自然や文化、調味料としての分析、食品の歴史などを述べた部分。推定が多い部分でもあるが、地道な調査で蓄積したデータをもとに、事物の姿に迫る工程は、分野を問わずワクワクするものだった。
第一部と第二部は、各地のナレズシと魚醤の事例紹介の項目で、数々の調査事例が紹介されている。事例紹介なのですね、文章の形式が単調な繰り返しっぽいところがあり、少々眠たくなった。しかし、細密な調査の結果なので、ナレズシ、魚醤と括られる食品の多様性がわかる部分。
個人的に面白いと感じたのは、第三部以降。食品の成立の背景となる自然や文化、調味料としての分析、食品の歴史などを述べた部分。推定が多い部分でもあるが、地道な調査で蓄積したデータをもとに、事物の姿に迫る工程は、分野を問わずワクワクするものだった。