2021年5月30日日曜日

木製食器の修繕

 ずいぶん昔に購入して使わなくなった木製のスプーンが出てきた。なんで使わなくなったのかというと・・・

修繕する前の木製スプーン

 表面のニス?塗装?(多分ウレタン塗装?)が剥げ、剥げた所はもろくなったり、毛羽立ったりしている。口当たり悪いし、衛生面も安全面も気になる。高いものではなかったので捨ててしまえばいいのだが、何となくもったいない。そこで、ちょっと手直ししてみることにした。
 元々と同じ塗装をするのは、道具や資材の調達や乾燥の手間などがあり、多少面倒な気がしたので、ほかの方法を探した。そこで知ったのがオイルフィニッシュ。木工品の表面処理の方法の一つらしい。普通に食用の油でできるらしいし、油を選べば口に入れるものでも大丈夫らしいので、挑戦してみることにした。

【参考ページ】

 要は、表面に油を塗りこんで乾かせばいいらしい。注意点は、使う油を選ぶこと。乾性油という時間が経つと固まる油を使う必要がある。乾性油で手に入りやすいのは、エゴマ油とアマニ油で、その辺のスーパーに売ってある。今回はアマニ油を選んだ。


 ちなみに、乾性油についてはwikipediaでも見て下さい。

 乾燥するんではなく、分子同士が化学反応で繋がる(重合する)んですね。油絵の絵の具って、その性質を利用しているんですね。知らんかった。
 手順は、
  1. 紙ヤスリで削る。120番→400番→800番→1000番
  2. 端切れ布で油を塗る。(使った布は水に浸して捨てる)
  3. 1〜3日乾かす。
でいいはず。

まずは修繕前のスプーンの背。塗膜が相当剥げている。
修繕前

 修繕過程。ただし厳密なビフォーアフターではありません。異なるスプーンが混じっています。左は修繕前、まん中はヤスリがけをして塗料や痛んだ木地を取り除いた所、右はアマニ油を塗ったあと。
修繕過程。左から、修繕前、ヤスリがけ後、油を塗った後

 修繕過程2。スプーンの柄のところ。やはり左は修繕前、まん中はヤスリがけをして塗料や痛んだ木地を取り除いた所、右はアマニ油を塗ったあと。
左は修繕前、まん中はヤスリがけ後、右は油を塗ったあと。

 まあ、こんなもんか?
上が修繕後、下が修繕前


 さて使った感想。
  • 最初は400番の紙ヤスリまでしかしなかった。手触りはいいが、口当たりが良くなかった。今、服用している薬で口内炎ができやすくなっているので、かなり不快だった。結局1000番までかけた。紙ヤスリの掛け方の巧い下手もあるだろうな。
  • 待ちきれずに硬化時間1日くらいで使ったら、使用後の洗浄で油が落ちた。気長に待とう。
  • 紙ヤスリをかけた後、スプーンの一本が非常に薬品臭かった。防腐剤かなんかしみ込んでいるのか?元がウレタン塗装の製品は、木地が怪しいなんてことがある?
  • 一から自分でつくったら楽しいし、安心かも。

 次は、何をしようかな。