今回は6年生のクラス。選んだ本はこちら
書名 ツーティのうんちはどこいった?―ハナグマの森のものがたり
著者 文・越智 典子 絵・松岡 達英
形式 大型本: 31ページ
出版 偕成社(2001年)
ハナグマのツーティが、ある日、自分がしたうんちがどうなるか気になり、見張り、うんちを中心に生きる生き物たち(主に糞虫の仲間)に気づくというお話。うんちが題材ではあるが楽しいストーリーで、小学校低学年から高学年まではもちろん、いきものに興味があるなら大人でも楽しめる絵本だ。
個人的に絵はすごく気に入っている。主人公やその兄弟たちの絵は、かわいらしい絵ではあるがかなり本物に忠実なようで、ネットで検索したハナグマの写真や動画に出てくるハナジロハナグマを良く表現している。背景に出てくる動植物については、さらに精度が上げてあり、図鑑かと思わせるほどの充実ぶり。これは絵を見るだけでも楽しい。
ただ、これを選ぶにも少し気になる点はあった。それは、うんちが題材であること。まず、小学6年生という思春期の子たちに、果たして素直に受け入れられるか分からなかった。低学年だったら「うんちー!!」とはしゃぐんだろうけど。そして、朝一番の実施というのも気になった。朝っぱらからうんちの話し・・・朝からうんちをするのは基本的な生活習慣とされるけれども、神経質な子は嫌がるかも・・・
とは考えつつ、まあいっか、えいやっ、と選んだ。
結果、嫌がった子はいたかもしれないが、読み聞かせ会が困難になるようなことはなかった。絵本好きな子たちは、前に陣取り、クスクス笑いながら聞いてくれた。素直で楽しめる子たちで良かった・・・
読み聞かせの後は、恒例の実物で体験。今回は、絵本で出てきた糞虫の仲間で、日本で採られた標本を持ち込んだ。昆虫標本を触るわけにはいかないし、うんち虫だしで、今回は見るだけ。
絵本の舞台はハナグマが生息するアメリカ大陸の方で、ならばうんちにくる虫もアメリカだけなのか、いやそうではなくて日本にもいるという導入から始めた。小学校の裏手にある山にいる動物について質問し、いろんな動物を見たという体験談が出たところで、そのうんちを食べる虫もいるんだよ、と標本を見せた。
さすがに絵本を見た後なので、うんちを食べてた虫だと分かっていて、遠巻きにする子がとても多かった・・・形や色の特徴なんかを話しながら見せて回っていたら少しずつ覗き込んでくれるようになった。まあ、確かにちょっと引くかもな。
一応成功ということで、良いか。
これらの標本は、自分で採ったものではなく職場にあったもの。簡易な貸し出し展示キットを作る話があり、そのプロトタイプ的な意味合いで(ということにして)動物担当に作ってもらった。解説文も以前の動物担当がつくったミニ展示を流用している。うまいこと軌道に乗ると良いのだが。
この絵本はシリーズ物の2作目で、1作目はこちら。
書名 ツーティのちいさなぼうけん―ハナグマの森のものがたり
著者 文・越智 典子 絵・松岡 達英
形式 大型本: 31ページ
出版 偕成社(1999年)
糞虫はその見た目と生活の面白さ、無視しがちであるが身近なうんちに関することであることから、生き物屋界隈ではよく取りあげられる題材で、本も出ている。
この本は勉強に使った。
これは絵本でとても良い本だけど、直接的な写真なので今回の読み聞かせには使わなかった。ほんとうに迷ったけどやめた。
あと、糞虫といえばフンコロガシ(スカラベ)、といえばファーブル昆虫記。
個人的に読みやすかったのはこれ。
ファーブル昆虫記っていろんな訳本が出てるんだなぁ。Amazonで検索するとわらわら出てくる。