2019年10月13日日曜日

動物園が変わってきている!?

 今年3月に大牟田市動物園で開催された屠体給餌のシンポジウムを見に行って以来、動物園って面白いな、と思うようになった。そのためか、動物園に関する情報が目につくようになった。何となくアンテナを張ってるような状態なのだろう。その中で、最近、驚いたニュースがこれ。(前読んだときは全部読めたんだけど、今は有料記事になっている。)

問われる、そのあり方 動物園、実は役に立っていない?─研究によると「生きた動物を見ることは教育に良いわけでもない」|Courrier
https://courrier.jp/news/archives/173204/?ate_cookie=1570887163

 学習効果が低い、社会教育の役に立っていない、動物の保護に役立っていないなど、ものすごく動物園を否定しているが、根拠もきちんと示せていない。なんなのかなぁと思っていたらtwitterで、これが元記事じゃないか?というツイートが流れてきた。ちょっと保存してなくてどなたのツイートか分かんなくなっちゃったんだけど、情報収集能力すごいなぁ。
 で、その元記事らしいのはこれ。

Should zoos exist?|FastCompany
https://www.fastcompany.com/90365343/should-zoos-exist

 直訳すると「動物園は存在すべきか」なのだろうか。かなり攻めてる題名な気がする。英語は苦手だが、とにかく頑張って読んでみたところ、いろいろ面白かった。
 まず、日本の記事で揚げてあった動物園への否定的な意見と似たようなことが述べられていた。が、驚いたのはその個々について、その主張の根拠となる研究論文へのリンクがあり、その研究がどのような問題意識から、どのような調査研究をし、どんな結果が出たからこう主張するんです、というのがちゃんと書かれていた。
 これを見て、日本遅れているよ、と本気で思った。見出しだけ、結論だけで知った気になってていい時代じゃないよ、と。記事書く方も、強気で読者を攻めにゃあ。

 結局、記事の内容はかなり動物園を否定するものだったが、それも、書いている人がおそらく動物福祉の方にかなり軸足を置いているからだろうと読み取れた。平たい言い方をすると、娯楽とか、楽しみとか、教養とか、学習とかの人間の都合で動物を振り回したら良くないよ、しっかり守っていこう、という考えに立脚しているようで、そうならば動物園を否定するのも分かるというもの。

 かといって同意できるものはななく、個人的には「動物園は必要だよ」と思う。なぜなら、動物を守らなきゃと思う人、あるいは記事内で充実を提唱しているサンクチュアリで保護事業にあたる人は、そこに至るまでのどこかで、動物を大切に考えるようになるきっかけとなった(なる)出来事・経験を経ているはずで、この出来事・経験の場を提供するのが動物園の役割だと思うからである。さらに動物園によって、より多くの人が動物に親しみを持つことは、動物保護や動物福祉に理解を示す人々が増え、社会がこれらの考えに価値を認めることに繋がる。
 動物園は、「裾野を拡げる」という重要な役割を持っていると思う。