別ブログに上げていた本に関するコンテンツを移行したものです。
オリジナルは2009/11/01公開
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トチノキを見つけたついでに、食べてしまおうと思い、いろいろと資料をあさりました。そのとき見つけた本の中で面白かったのがこれ。
題名は「栃と餅」ですが、副題に「食の民俗構造を探る」とあるように、栃をはじめとした米以外の主要食物に焦点を当てた、民俗学的な食の分析をしている本です。(まあ、民俗学は守備範囲外なので、著者の方がみたら「ちゃうねん!!」といわれるかもしれませんが・・・)
栃を食べる地域や、そこここでの食べ方についてとてもよくまとめてあります。そのほか、最近、健康にいいなどのうたい文句で「雑穀」などと呼ばれている、黍、粟などの穀物についても詳しく述べられています。
これらの食物の普段の食事と晴れの日の食事での使われ方やその意味などとても分かりやすく、たいへん楽しく読みました。
終章「食の民俗思想−二十一世紀につなぐもの」での「同じ釜の飯」についての下りは、個人的にはとても熱く心に響くものでした。勝手なこじつけながら、この夏に公開された映画「サマーウォーズ」で描かれた家族像、人間関係の在り方に相通じるものがあるな、と感じました。
栃餅だけでなく、むかしから利用されてきた食べ物などに興味のある方は、お試しください。
あ、サマーウォーズもDVDが出たらご覧あれ。おすすめです。