別ブログに上げていた本に関するコンテンツを移行したものです。
2014/05/09のコンテンツ
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博物学という語が書名に入っているので、博物学全体を扱った書かと思いきやちと違う。表紙には青い地に白い線の細かなスケッチがたくさんあるが、これはササラダニというダニの仲間のスケッチ。著者の青木淳一さんは、ササラダニというグループの分類学的な研究の第一人者で、日本内外の博物館や大学で研究を進めてきた方。表紙のスケッチは、研究の成果、「新種」として発表したササラダニのスケッチだそうだ。
日本津々浦々でササダラニを採集し、分類し、地理的分布を解析し、といういわば博物学的な研究生活をとおして、「博物学の時間」を分かりやすく解説している。
前段では博物学とは、中段ではご自身の研究史、後段では博物学を後世に伝えていくことが述べられている。
ササラダニが好き、生き物が好き、という気持ちあふれる文章で書かれていて、博物学の魅力や大切さが描かれている。