2017/09/24の記事
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「日本人と植物」前川文夫 岩波新書
相当昔の本だし、amazonのリンクを貼ったところで、そこから購入できるんか?という疑問はあるが、一応貼っておくと本の画像は出るし楽だな、という事で貼っておく。
以前、野菜のクワイ(慈姑)をカヤツリグサ科のクログワイの塊茎と伝えてしまい、「今、クワイと呼ばれている野菜は、オモダカ科のクワイの塊茎ですよ」と訂正を入れたところ、執拗に「嘘を教えたのか、間違いを教えたのか」と言われたことがある。自分の記憶では、嘘も間違いも教えた気はないのだが、実際に、現在において野菜として流通しているのはオモダカ科のクワイだし、その時手元にはカヤツリグサ科のクログワイの塊茎をクワイと呼んだという文献もなかったので、説明に四苦八苦した。
最近手にとったこの本に、クワイの名称やその正体の植物についての記述があり、上記のあまりうれしくない出来事を思い出すことになった。
この本、題名からは、植物学と民俗学との学際的な、ちょっと昔〜今の植物の利活用をテーマにしたものかと思っていたが、少し読んでみるとちょっと違った。植物の名前に焦点をあて、その語源をさぐりながら、日本人と植物の関わりをひもといていくような内容のようだ。「ようだ」というのは、まだ呼んでる途中、というか「クワイ」に関わるところしか読んでないから。
本の内容をばらしてしまうの良くないが、自己弁護のために少しだけ。野菜のクワイはそもそもはカヤツリグサ科のクログワイの事だったと言えるようだ。その論立ては本を見てもらうとして、どこに書いてあるかというと「ヒガンバナの執念」という章。で、どこで手に入れるのよ、となると・・・岩波書店のHPでは検索してもヒットしないし(絶版?)、amazonのは中古品のようだし。まあ、図書館で借りるのが順当か。あとは古本屋(日本人と植物〜の在庫検索結果|日本の古本屋)か。
著者の前川文夫は、日本の植物学者で結構いろんな本を出している。植物学を学んだ人なら、大抵はこの人の本を読んだことがあるのではないだろうか。名前でamazonを検索すると「植物のきた道」、「植物の名前の話」、「日本固有の植物」、「日本の植物区系」、「植物の形と進化」など、持っているor読んだ事あるという本がわらわら出てくる。この人の文章は、特に一般向けの書籍の場合、柔らかく結構読みやすい気がする。