2016年11月20日日曜日

絵本「リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険」

小学校のPTA活動で、「絵本の読み聞かせ」というものを初めて受け持った。
我が子に読み聞かせることはあっても、他所の子にというのはなかなかない経験で、それなりに緊張した。

使った絵本は
リンドバーグ: 空飛ぶネズミの大冒険 作 トーベン・クールマン 訳 金原瑞人 ブロンズ新社」

対象は小学3年生
朝の会と一時間目の間の20分間(実質の読み聞かせ時間は15分ほど)

内容は、人類の飛行機開発史をモチーフにした、ネズミが主人公の物語。
音読すると、やや早口で読んで15〜16分と、持ち時間ギリギリの長さ。時間的にちょっと無理するが、息子がどうしても読んで欲しいとせがむので採用した。

感じたこと

絵柄は表紙を見れば分かるが、繊細で写実的な感じで、ややセピア調の色合い。大形の本であることも幸いして遠目にも分かりやすく、対多人数の読み聞かせに合った絵だと思う。

対多人数の読み聞かせに使う絵本では、見開き一場面で、絵と文章が合致していることが「良い絵本」の条件の一つだそうだが、この本も大体その原則で作られていて、読む方も聞く方も分かりやすい構成だったと思う。

一部、印象的なシーンは、見開きで絵のみ文章なしで作られており、読み手に工夫が必要が求められた。例えば、絵にかかる文章を読みながらページをめくる(紙芝居的な感じ)、シーンを思い浮かべたり印象づけるために絵を見る時間(次のページに移るまでの時間)を長く取る、など。

小さなネズミが幾度もの失敗にもめげず、考え、ひらめいて、努力する物語に、子供たちはかなり引き込まれた様子。15分というやや長丁場だったけど、最後まで集中して聞いてくれた。

本は、物語の最後に現実に飛行機に関係した人物が登場しておわり、その後ろに飛行機開発史の簡単な解説が付録的に掲載される、という構成になっている。時間の関係もあって、その飛行機開発史の解説を飛ばした。そのせいか分からないが、物語が本当の話か?と勘違いしかけた子がでた。幸い、最後にQ&Aというかコミュニケーションをとる時間が確保できたので説明できたが、こういったときのフォローはむつかしいなぁと感じた。

「長い物語を読んでくれてうれしかった」という感想もあった。読む方も15分というのはかなり長くて疲れるので、非常にうれしい。

全体として、読んで良かったと思える本だった。