2014年9月24日水曜日

熊本県立装飾古墳館「勾玉が語る」を見てきました。

熊本県立装飾古墳館の秋期企画展「古代のアクセサリー展 勾玉が語る」を見てきました。

チラシ

 勾玉ってなんか良いじゃないですか。そんだけの理由です。

展示風景
第二展示室と呼ばれる四角い部屋に、何とも上品に飾ってあります。実際の出土品から、装飾古墳館の教育普及事業で行われる勾玉作りの作品まで、色とりどりです。

 玉(たま)と呼ばれる当時の装飾品の、形による分類、作り方、歴史などがパネルで展示してあり、こじんまりとしていながらも、よくまとまっていて、分かりやすい展示でした。

玉の材料の展示
玉の材料の展示もしてありました。原石というのはやはり美しい。その中には・・・

松橋収蔵庫蔵、琥珀。
熊本県松橋収蔵庫からお貸しした品もございます。

 関連行事として勾玉作りもありました。小1と3歳の息子達は最初は興味無さげでしたが、展示を見た後はやる気満々で作っていました。

勾玉作りに挑戦。
柔らかい滑石をサンドペーパーで削って作るものです。体験は常時受付で、入口の受付でお願いすると、材料費の支払いをすませると、すぐにさせてくれました。

 材料は、白、ピンク、黒マーブルがあり、勾玉一つが削り出せる四角くカットした石材が用意してありました。また、白については小さな子ども向けに大まかにカットしてある材料でした。この他、大玉、管玉も作ることができるようです。
 材料は、石材、目の違うサンドペーパー4種、作成後ペンダントにするための紐1本がセットになっています。

 部屋に行くと学芸員さんが待っていて、作り方を教えてくれます。いっぺんに話してしまうのではなく、震度に合わせて説明してくれました。このときは2回かお出ししてくれました。まあ、学芸員さんもいろんな業務があるので、子ども一人に付き添っとくわけにもいかんですしね。

 子供たちは、二人ともカットした白い石材を使いました。時間は1時間程度でしょうか。小1の次男は最後まで自分でやりました。3歳の三男はすぐ飽きました・・・

 装飾古墳館には、増設展示として県内の装飾古墳や石棺のレプリカがあります。よくできていて、実際にそこにいるような気がしてきます。
装飾古墳のレプリカ

石棺


 帰りはちょっと寄り道。無計画ででてしまってたので、足湯にでもつかろうかと、山鹿市の湯の端公園を目指しました。駐車場はないのですが、斜め向かいの温泉プラザの駐車場が一時間は無料ということを観光協会からうかがって、利用させてもらいました。



足湯につかる足
ま、あの好みもあるのでしょうが、私的にはめっちゃぬるいというか、温すぎ。うーむ。子供たちは水遊び始めようとするし・・・

 その後は、近くにあったお菓子屋さんで。燈籠最中のお店だったらしく、お客がひっきりなしに出入りしていた。レモンケーキを買った(なぜ?)。おいしかったですよ。
 
燈籠最中のお店
子供たちは、あまり走り回ることがなかったので、ちょっと不完全燃焼だったかなぁ・・・



2014年7月29日火曜日

森林総合研究所九州支所 森の展示館へ行ってきた

 先日、所用あり森林総合研究所九州支所に行ってきた。ついでに敷地内の「森の展示館」を見学してきた。
 写真の掲載などを聞いたら、「撮影した写真の著作権は撮影者にあるが、被写体については森林総合研究所の物なので明記を」とのことでしたので、断り書き。こんな感じでいいのかな?
 本記事の写真は、森林総合研究所九州支所森の展示館にて撮影された物です。被写体や被写体に書かれている調査研究内容の権利等は森林総合研究所に帰属します。また、写真の著作権は、撮影者であるブログ主に帰属します。

森の展示館入口付近。樹木園がある。
森の展示館の入口付近。樹木園、木の看板あり。樹木園では、木ごとにクイズ形式の名前札がある。
樹木園の中。普通の名前札の他、クイズ形式の名前札もあります。
2つ目の看板
ちょっと進むと2つ目の看板。こちらはちょっとポップな感じ。

  • 開館日は毎週水〜日曜日と祝祭日。
  • 開館時間は9時30分から16時30まで。

入口。あ、自分がうつってる。
入口はこちら。係員さんが一人おられて、入館すると館内の電気をつけてくれました。経費削減&省エネですか。
屋久杉の輪切り。どっかの施設にこの続きがあるらしい。
館内に入ると屋久杉がお出迎え。なんで熊本で〜?と思ったけど「九州支所」だからね。 

キノコレプリカのショーケース
まず目を引いたのがキノコレプリカのショーケース。これはなかなか本物っぽい。
キヌガサダケのレプリカ。すごい。
そのレプリカのケースの隣には、キノコの標本がたくさん入ったケースがあった。標本数はかなりの物。
キノコの凍結乾燥標本のケースといろいろな解説パネル
凍結乾燥法によるキノコ標本。
キノコの標本は、凍結乾燥法による物だそうだ。キノコの資料が充実しているのは、以前九州支所の職員で、キノコの研究を専門にしている方がいらしたためらしい。

 ケースの上の壁にはいろいろなパネルがかけられていた。キノコに関する物やその他の研究成果の解説が主な内容。かなり分かりやすく書いてある。

工作コーナー
子供たちが工作できるようなコーナーもありました。木の実などでいろいろ作れるようにしてあります。

 
重い木から軽い木までの材の標本
次はいろいろな樹木から得られた材(木材)のコーナー。ここではとても重い木ととても軽い木が集められていた。触れるので、持ち上げて実感できる。

いろんな樹木の材
他の樹木の材標本もあり。重さや質感が違い、触っているだけでなかなかに楽しい。
 
研究に関するパネル
研究に関するパネルも多い。結構分かりやすい。

 この施設、おそらく森林総合研究所の事業内容などを広く知らしめることが一つの目的だろう。しかし、「こんな研究してます」ってだけではなく、子どもを対象にした物があったり、森林についての基本的な解説があったりして、森林への理解や親しみが自然と研究の理解へと繋がるよう工夫されているようだ。 

 



2014年4月27日日曜日

熊本市立城南図書館へ行ってきた

前回の熊本市塚原歴史民俗資料館のついでに、熊本市立城南図書館へ行ってきた。
城南町が熊本市に合併されたあと新設された図書館です。新しいってどんな感じかな?ということで。

熊本市立城南図書館
http://jonan-library.com/
一つの建物の中に、熊本市城南児童館と併設されている。写真の撮影はいいか?と聞いたところ「ダメ!」だったが、パンフレットやホームページの画像は使っていいということだった。

 まずパンフレット。三つ折りのものを拡げて
反対側

 とにかく新しいだけあって、綺麗だね。あと天井が高く、上の方に窓があるので明るい久手雰囲気もいい。

 入口から入ると、左手に書架が二列に並ぶ。そして入口に近い方から、幼児用、児童用、と本が並び、奥が一般(大人)用となっている。パンフの写真からは見にくいので、ホームページから少し加工して流用。

熊本市立城南図書館の内部。書架が整然と並ぶ。(ホームページの画像に書架の高さに関する記述を加えた)
写真の左手が入口側。
 一番左は幼児用の書架。下に二段(黄色のライン)。上は平置き用というのか、表紙を見せて置く場所で、この部分の高さまで入れると児童用の書架と同じ(緑のライン)。また、別室のお話コーナーもあり、子どもへの読み聞かせも気兼ねなく行えるのではないかな?
 少し奥に行くと児童用の四段ほどの書架(緑のライン)。この付近には、写真でも分かるように子供用の机と椅子が設けてある。
 奥は普通の大人用書架(赤のライン)。

 大抵の図書館でも、このような区分けはしてあるのだが、この城南図書館は配置がシンプルで使いやすそうな印象だった。やはり、設計段階からキチンと考えられていたんだろうな、と推測。
 訪れた時間が平日の昼間ということもあるだろうが、小さな子どもを連れたお母さんが多かったように思う。
 あと、新設だからか、ホントに本が綺麗(新しい)。これはうれしい。

 さて、この熊本市立城南図書館、指定管理者制度によって運営されている。指定管理者は「城南図書館管理運営共同企業体」。適当にネットで検索してみると「(株)パブリックビジネスジャパン」というところが請け負っているようだ。実績紹介をみると熊本の施設がいろいろ出てくる。なんで名前が違うのよ?とは思うけど、「共同企業体」なので一社で指定管理者になっているのではないということか?

 なんで指定管理者を気にしてるかというと、要はお隣の県のある市の件があったり(佐賀県武雄市の問題について)、身近に指定管理者制度の話が出て来たりしたから。隣県については、最近さらに香ばしい問題?も露呈したようで・・・(武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定)。

 決して、この城南図書館がどうとかではなく、うまくいってるのなら、何故うまくいってるのか知りたい、と。

2014年4月25日金曜日

熊本市塚原歴史民俗資料館へ行ってきた

 先日、春休み中の息子(高校一年)を連れて熊本市塚原歴史民俗資料館へ行ってきた。

熊本市塚原歴史民俗資料館
http://webkoukai-server.kumamoto-kmm.ed.jp/web/tsukawara/index.htm

 もとは城南町歴史民俗資料館だったが、平成の大合併で城南町が熊本市と合併したことに伴い、熊本市塚原歴史民俗資料館へと名前が変わったそうだ。ちなみに「塚原」は「つかわら」と呼ぶらしい。パソコンで変換できん・・


 敷地の入口には、高床式倉庫や竪穴式住居の復元がある。
いつも思うんだけど、発掘されるのは建物の基礎だろうから、上の部分はどのように復元してるのかな?と。

 建物の中に入り、入館料を払って、施設の説明を受ける。一階に民俗展示室と歴史展示室、二階に考古展示室があるとのこと。

民俗展示室。狭いところにぎっしりと。
民俗展示室は一階の一角。狭い。様々なものがところ狭しとおかれている。ストーリー性はあんまりないかな?

歴史展示室入口
一階のもう一部屋は歴史展示室。やはり狭い。中世、近世、近代を扱う。瓦製の狛犬とかあった。

歴史展示室の一角

 二階に上がり、考古展示室。この博物館自体が塚原古墳群の中にあることもあり、この施設の展示のメインは、考古展示室。一番広い。

考古展示室入口
入口を通ると、大きな石棺や様々な土器が展示されている。この部分ではあまりキャプションなどはなく、考古学への誘い、といった感じ。めっちゃ大きな須恵器大器もあった。

入口付近の土器展示。雰囲気よく。
展示室全体をパノラマで撮ってみた。こんな感じ。

 入口付近から見たらこんな感じ。
考古展示室。明るく、見やすい。この明るさは見る側としては好き。

 展示は、旧石器時代から始まる。展示に使われている城南町周辺の旧石器時代の出土物は、かの有名な旧石器捏造事件(リンクはwikipediaにとびます)の後に発掘されたもの。事件後、多くの発見や説が疑われ、日本の旧石器時代がどのようなものだか分からなくなったころに発掘が行われ、旧石器時代研究の再出発のような位置づけになっているそうだ。

いろんな石器
土器もたくさんある。縄文土器といえば、その名のごとく縄目の文様を想像するが、この周辺ではそのような土器は少ないようだ。(縄目文様の土器や火炎式土器は、大体が日本のもっと北の方で出土しているものだ、と聞いた覚えがある)そんな、熊本周辺の文化ともいえるような特徴ある土器がいくつもあるのは興味深かった。
土器の底に残るクジラの脊椎版のあと、だそうな。
気になったのは上の写真。土器の裏にクジラの脊椎板の跡がついているそうだ。すとランディングしたクジラから得た大きな背骨を台座にして土器を作ったようだ。
 
土器のディスプレイ。もー少し解説が欲しいかな?雰囲気はいいんだけど
上の写真は土器の展示。すっごい雰囲気いいんだけど、土器の名称しか書いてなくて説明がない。他のところで土器の説明がないか、展示室を探しまわってしまった。

(感想)
 正直、歴史とかはあまり興味なかったんだけど、楽しめた。子どもの頃、狩猟採集の時代が好きで、いろいろ本を読んだり、調べモノしてたことを思い出して、かなり楽しかった。
 考古の展示室は、什器も凝っていて見やすく、雰囲気よかった。一方で、考古のことをほとんど知らない立場からは、説明が少なく、不親切と感じることも。でも、個人の好みかなぁ。逆に自分が展示に携わると、説明が多くてうるさい印象のもの作りがち、ということかもしれない。

2014年4月12日土曜日

担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意(埼玉県)で思ったこと

twitterをつらつら眺めてたらこんな記事が
担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意
http://www.saitama-np.co.jp/news/2014/04/12/01.html
(以下引用)
 県西部の県立高校で50代の女性教諭が長男が通う別の高校の入学式に出席するため、担任を務める1年生の入学式(8日)を欠席していたことが分かった。新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。 
 県教育局によると、県内の県立高校では、ほかに男女3人の担任教諭が子息の入学式出席を理由に休暇届を提出し、勤務先の入学式を欠席した。 
 関根郁夫県教育長は11日に開いた県立高校の校長会で「担任がいないことに気付いた新入生や保護者から心配、不安の声が上がった」と、この事実を報告した上で「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。 
 関係者によると、入学式の担任紹介の中で校長が女性教諭の欠席理由を説明。女性教諭は「入学式という大切な日に担任として皆さんに会うことができないことをおわびします」という文章を事前に作成し、当日、別の教諭が生徒らに配ったという。 
 来賓として入学式に出席した江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨。 
 県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」としている。


 まあ、なんだかとても違和感があるので。記録代わりにやや毒舌で記しとく。

新入生の保護者らは「今の教員は教え子より息子の入学式が大切なのか」と困惑している。

なぜ天秤にかける。「私と仕事、どっちが大事なの?」に似てるな。比べるなよ。先生だって一人の人間で、家族を持ち、その家族を養いあるいは育てる生活を送っている、というのは想像できないのだろうか。自分がわが子の入学式に出るのは当然、でも教員はダメ。わが子を育てることを、先生には認めないというのだろうか。
 これを天秤にかけて判断していいのは、当人だけじゃね?親という立場にありながら、同じ親の立場にもある先生に対し、自分の子は捨て、他人の子のために尽せ、と平気で言える感覚は、異常に感じる。
 自分に置き換えてみて想像してみると、どちらの判断をしても納得できるんでないかい?

「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”を促した。

この件で一番注意されるべきは、担任の決定などをした学校の執行部だと思う。何故高校一年の子がいる先生を高校一年の担任に就けたのか、と。間違っても、休みを許可した事に、ではない。
 そして注意を促した相手は校長だよね?学校の執行部だよね?高校一年の子どもがいる先生に高校一年の担任を任せるような、学年やクラスの運営上問題がありそうな状況をわざわざ作るなって、言ったんですよね?まさか当の教員相手に「お前の子の年齢などしらん、学校運営最優先」、「トラブルありそうだったら、自己犠牲でカバーしろ」と言うのつもりじゃないですよね?
 大体、もう高校生なんだから一日担任がおらんくらいで不安になるな。担任おらんでも副担おるから大丈夫。
 ていうかさー、このくらいの配慮はしてあった気がするんだけどなぁ(他県だけど)。連絡や情報交換がなされてなかったのかなぁ・・・

県教育局は「教員としての優先順位を考え行動するよう指導する」

いやいや、これは職務案件の優先順位の話じゃないから。生活をして子どもを育ててる人間の人生上の話だからさ。それをごちゃ混ぜにして「教員としての優先順位」とか言っちゃったら、もうブ○ッ○企業とかわらんやん。ダイジョブか?ヤバい認識になってないか、不安だぞ。

来賓として入学式に出席した江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨。

県議員ってさ、県民の投票によって選ばれ、県民一人一人の生活のために働く仕事なんでしょ?この教諭だって県民の一人じゃない。それなのに「教員なんだから自分の子をないがしろ」とも受け取れる言葉で一教員を攻撃するなんて、あまりほめられた行為ではないと思うぞ。県議員としての自覚や倫理観が欠如してんじゃない?ってブーメランが返ってくるよ。
 あと、管理責任って何?先生は事前に手続きしてて、何も悪い事してないでしょ?。わが子より学校行事を優先させることを強制できなかった責任か?
 それに、欠席理由を聞いたら普通の子は「しょうがない」と思うぞ(たぶん)。人それぞれに大切な家族があることを理解できてる歳だと思う。少なくとも自分が高校生くらいのときは、家族をほっぽる教師は信用してなかったな。むしろ軽んじてた気がする。逆に子どもや家族を大事にする先生に対しては、寂しいと思うこともあったけど、信頼できる人物としてうつってた覚えがある。
 

 最近毒はいてないので、吐いてみました。権力ある人に嫌がらせされるといけないので(隣県の某市長とかの例もあるしさ)謝っときます。ごめんね。

 思うに、いろいろな価値観が変わってきているんだよね。私の一回りか二回り上の教諭経験者と話すと、「子どもに何もしてやれなかった、行事も一切出なかった」、「でも伴侶や親戚、近所の人が助けてくれた」という話が出てくることが多い。教員はわが子よりも教え子を優先するのが当たり前だったし、それを親族や地域が支えることも当たり前だったのだろう。「家庭より仕事」、それが当時の優勢な価値観だったのだろう。
 今は、どうだろう。人の移動も大きくなって、いままで支えてくれた血縁関係や人間関係のある地域から離れて生活する人も増えているのではないか。それなのに、ワークライフバランスなどという言葉もあり「家庭も仕事も」やっていくのがいいという価値観に変わってきた。
 となると、組織は働く人の(今回の場合は、学校は先生の)ワークライフバランスが保てるよう配慮すべきではないか。今回はそこがうまく機能していなかったということではないだろうか。

2014年2月9日日曜日

韓国蔚山広域市との環境国際交流(三日目)

韓国蔚山広域市との環境国際交流も最終日です。

第三日目(2月7日)

この日の予定は、現代自動車と現代重工業の見学、昼食、買い物、帰国。

 ところで、現代自動車などの英語表記をみると“HYUNDAI”となっているので、たぶん「ひゅんだい」とか読むんだと思うんだけど、通訳の人は一様に「げんだいじどうしゃ」、「げんだいじゅうこうぎょう」と言うんですよね。固有名詞だから「ひゅんだい」でいいと思うんだけど、なんでだろ?

 さて、まずは現代自動車の見学。現代自動車蔚山工場の紹介ビデオを見せてもらって、その後工場見学という流れ。案内する社員がおり、日本語も話せる。彼女の日本語は、イントネーションもかなり自然で聞き取りやすかった。参加者から所有する車について質問されて、「まだ持っていない。二年契約の仕事で来年二年目なのでその頃には買うつもり」とのこと。語学センスゼロの私からすると、外国語が話せるだけでもすごいなと思うのに、それでも有期社員なのね。まあ、どこも厳しいということか。
映写室があり、現代自動車のPRビデオが放映される
展示ロビー
この赤いVelaster欲しいな。
エンジンの模型もいくつかあった。
工場内は撮影禁止ということで、写真無し。メモ書きからいくつか

  • 5つの組み立て工場で生産しており、各工場は、普通車、高級車、バン・トラック類などのカテゴリごとの生産ラインになっている。
  • 年間150万台の生産。一日あたりは1500台。
  • 作られた車の七割は輸出される。輸出先の上位三カ国はアメリカ、サウジアラビア、オーストラリア。
  • 工場は海岸に立地しており、作られた車はすぐに船につまれ輸出される。
  • 船は一隻で2000〜7300台積むことができる。通常は4000台ほどを載せて出航する。
  • そのほか、敷地内にはトランスミッション工場4(だったかな)、エンジン工場6、プレス工場などがある
  • トランスミッションは、以前は三菱からの技術供与によっていたが、現在は自社技術で生産。
  • 世界初となる水素車の大量生産を行っている。 
  • 工場敷地は長さ6km、周囲14kmあり、34000人の従業員が働いている。
  • 敷地内には24の食堂、郵便局、銀行、コンビニなどがそろっている。
  • 工場横の道は、混雑緩和のために現代グループが作って蔚山広域市へ寄付したもの。

 次は現代重工業。
 こちらは、企業博物館があった。一つの博物館だが中は二つに分かれていて、始めは現代グループ創始者の立身出世をテーマにした展示、その次が現代重工業の歴史を扱った展示だった。
創始者の生涯を扱った展示
現代重工業の発展を扱った展示
船や重器、プラントの模型なども
ジオラマ。

 こちらの工場敷地内の見学もしたが、やはり撮影不可。でっかい船をやたら作ってた。

 現代自動車、現代重工業は、蔚山広域市の発展をまさに牽引してきた、そして現在も牽引している感じだった。蔚山広域市はやはり工業都市だ、と言う印象を受けた。早い時期から環境問題に目を向け、取り組み、環境都市となったが、それも潤沢な経済力があったからこそ、ぐんぐんと勢いで進めることができたのではないか、と思う。
 環境が最も汚染されたころには、公害とまでは言えなくとも様々な健康被害が出ていたのではないかと思われる(もちろん、そんなことはまったく説明されなかったが)。しかし、その状態で、蔚山広域市は環境都市宣言を行い、企業が環境問題に取り組む(悪く言えば後始末をする)ことが、企業にとって経済的負担にはなっても、企業イメージにとってはプラスになる、次のステップへの糧になる道筋をつけた。このことが、官民一体となった発展に寄与したのではないか。

 さて、難しいところは終わったので、あとは買い物と帰国。
町中の風景。ロッテだ!
何だこれは?人形恐怖症の私としては、えらく恐ろしいんですが・・・

 お昼はなんか洒落たビュッフェだった。各国の料理がバイキング形式で食べれる。なかなかおいしい。この昼食は蔚山広域市の職員の方も一緒だった。一日目の夜にホンオフェの食べ方を教えてくれた方もいらっしゃってた。彼が食べるものを見ていたら、とにかく日本食、にぎり寿司、巻き寿司をとってきては食べている。これってやはり、ホストとして、あるいは他の国の人への気配りなのかな、と思った。たぶん彼は、ヨーロッパ人相手だったら、パスタやステーキコーナーからばかり料理を持ってきて、おいしそうに食べたのではなかろうか。
 彼の行動をならって、スイーツコーナーから韓国のお菓子らしきものばかり選んできた(写真撮り忘れた。痛恨のミス)。いずれも韓国では「お餅」に類するものらしい。通訳の人に聞いたら、「韓国はお餅にいろいろ種類があるから、私も分からない」。いや、だったら、同席の市職員に聞いてよ・・・
お昼はビュッフェ
そんなお餅の中に、1.5cm四方、高さ3cmほどの、落雁の様な見た目のお菓子があった(これも写真撮り忘れ、く〜!!)。これも訪ねたら「知らない」。「落雁みたい」というと「落雁て何?」。もうめげた。早く食べたかったので、質問おわり。食べるとほんのり甘くて 、モチッとしている。鹿児島の「かるかん」がもう少し弾力を増した感じだった。おいしい。これ、なんか覚えがあるなーと思って考えていたんだけど、たぶんこれ。

NHKの「グレーテルのかまど」というお菓子をテーマにした料理番組で紹介された「チャングムの餅菓子」(レシピ)に類するものではなかろうか。おお、感動。

 今回は、思いがけず食べてみたいもの二つ「ホンオフェ」と「餅菓子」を体験できた!!うれしい。

お土産はショッピングモールで。
韓国海苔コーナー。全部韓国海苔・・・
子供へのお土産。スナック菓子。カニのはうまかった。

最後に

 熊本市および蔚山広域市の職員の皆様、お世話になりました。おかげさまで、充実した3日間でした。
 訪問団の皆様、初めてお会いする方達ばかりでしたが、いろいろお話いただきありがとうございました。これから連携した活動ができるとうれしいです。
 蔚山広域市の市民団体の皆様、なかなかコミュニケーションがとれず残念でした。隣の国なのに、話が通じない時に英語がでてくるのは、なんともシュールでしたね。

 皆々様、ありがとうございました。

韓国蔚山広域市との環境国際交流(2日目)

韓国蔚山広域市との環境国際交流2日目

二日目

朝から市役所へ。展望台で蔚山広域市の説明を受ける。が、あいにく天気が悪い。朝から雪振ってるし。イマイチけぶってて遠くまでは見渡せない。
蔚山広域市市役所展望台からの眺め。
そのあとは、今回の訪問のメインイベント、蔚山広域市で活動する環境市民団体との交流会。まあ、蔚山広域市の職員が司会を務めて意見交換会みたいな。写真は撮ってないや。

蔚山広域市側の市民団体は

  • 太和江保存会
  • 蔚山広域市太和江生態解説師会
  • 蔚山川を生かすネットワーク
  • 緑エネルギー促進市民フォーラム
  • 韓国ロードキル予防協議会
  • プルン蔚山21環境委員会


内容は、
蔚山広域市のPRビデオ鑑賞、各団体(熊本市、蔚山広域市双方)の活動紹介、団体間の質疑応答、まとめ、記念撮影
くらい

質疑応答ででてきたもの
(熊本側--->蔚山)
Q1.資金はどうしてるの? A1.ほとんどの団体は入会者の会費。団体(企業など)の会費も設定されている。韓国ロードキル予防協会の場合、企業(現代自動車)の出資が80%を占めている。あと数年をかけて、個人会員を増やしていく計画。プルン蔚山21環境委員会は全額地方、および中央政府の出資。

Q2.市の主導の環境政策は押し付けにならないか? A2.ならない。市民団体の代表が意見を取りまとめ、市と話し合う。その結果はきちんと各団体に伝えられる。

このA2.の市民団体の代表が「プルン蔚山21環境委員会」。これは国連環境開発会議のアジェンダ21の採択と勧告に基づき設置された官民協力機構で、ここが中心となって各市民団体のとりまとめを行っている様子。力や信頼があるのだろう。


 個人的に気になったことはあるが、ちょっと今回の訪問とは主旨がずれるので交流会の場では質問しなかった(また、時間もなかった)。
 その気になったこととは、韓国ロードキル予防協議会の活動。急激な発展を遂げた蔚山広域市では、野生動物のロードキルが多発しているらしい。
 韓国ロードキル予防協議会は、・ロードキルの調査、予防、教育、広報、政策活動・野生動植物の保護活動・自然生態環境の調査及び保護活動、を目的に2013年に設立されたばかりの新しい団体で、先述のとおり活動資金の8割は現代自動車が出資している。
 活動内容は以下のようなもの。気になったところを太字にした。

  • 生態通路の確保および道路条件の改善など、ロードキル予防のための政策提案をするための現状把握を目的とした、全国主要道路のロードキルデータベースの構築
  • 野生動物保護活動:救助活動、極寒期の餌やり活動、密猟監視活動、野生動物の餌を守るためのドングリ守りキャンペーン
  • ドライバーへの教育およびキャンペーン

1.ロードキルデータベースの構築
 ロードキルデータベースを作るということは、おそらく誰かがロードキル個体の確認をするはず。ならば、そのロードキル個体は回収し、状態によって剥製やDNA分析用の資料として博物館に収めてはどうか、という気がした。それらの資料は、蔚山広域市における動物個体群の状態を把握する良い資料になるはずだし、市民団体が博物館と連携して、調査や学習をし、活動をより発展させる道があるのではとも思ったので。
 そこで、通訳の人に蔚山広域市の博物館について聞いてみると、驚いたことに蔚山広域市には自然史系の博物館はないそうだ。1960年代以降の蔚山の発展をテーマにした博物館と、開発で出て来た土器類の考古資料を扱う博物館だけだそうな。著しく発展した都市では、過去や現在の自然の記録や研究を行ったり、学校教育と連携、あるいは社会教育として自然史系の教育普及活動を行う自然史系博物館は不可欠だと思うのだが、「ない」ということにかなり驚いた。
 この日出席していた市民環境団体が、あるいは団体会員の個々人が自然環境について学ぶのはどこなのだろう?

2.極寒期の餌やり活動
 野生動物への餌やりは通常「不可」と思っていたので、驚いた。ロードキルが起こりやすい所に動物をおびき寄せる、必要以上に個体数を増やす、餌に依存した生活になる等、むしろロードキルを増やしはしないか、と疑問に感じた。また、餌には植物の果実や種子も用いていたようなので、植物個体群への遺伝的攪乱の可能性もあるかと。
 まあ、その辺を通訳を通して、交流会とは別の場で聞いたのだが、まーもどかしいこと。ちょっとでも生物学的な語が入ると、訳がうまくできないらしく・・・それでもなんとか聞き出せたのは・・・
 まず、昨年設立されたばかりで、とにかくロードキルを減らすために動き始めたところで、具体的な活動はこれからどんどん検討していくとのこと。
 餌やりは、野生動物を道路から遠ざけ、道路のない地域にとどめるために行っている。
 植物個体群の遺伝的攪乱は、問題ないと思うと。なぜなら、餌のドングリは、秋に食用にするトトリ(どんぐり)拾いにきた人々に、拾ったドングリの一部を餌として寄付してもらったもので、それを山に返しているから、だそうだ。
 それで、ちょっと韓国に来て疑問に思ってたんだが、山がものすごく単調。何かの落葉樹(おそらくドングリの類い)と松しか生えてない。下草も一切ない。熊本に比べると緯度も高いので熊本の山と比べてもいかんけど、利用しまくってる山じゃないかなぁ。ドングリ拾うための山に見える。うーん、知識が足りない・・・
 この団体は、先進の団体と連絡や連携とったがいいと思うなぁ。日本でロードキル扱ってる団体・・・知らないなぁ。あると思うんだけど。
韓国の都市周辺の山
交流会終わって食事会。ビビンパ食べた。韓国きて2回目。おいしかったよ。気に入ったのでは、その後でて来た甘い飲み物。「韓国茶」と説明されたが、茶色で、ニッケの香りがして、うす甘い。柿(干し柿?)が入っているとも言われた。おいしい。
甘いお茶。
午後は、環境都市蔚山広域市のシンボル太和江の見学。工業の発達で、悪臭を放ち、魚の死体が流れる川だったが、汚水の流入を完全にとめ、下水や排水の処理施設を完備し、障害物を取り除いたり流量を確保してよるスムーズに流れるようにして汚染を低減していったそうだ。護岸もそれまでのコンクリートをすべてはがし、土と石で固め直した。上流から下流までのほぼ全体に、市民が憩えるハイキング・サイクリングコースを整備した。などなど・・・その気概、徹底ぶりも素晴らしいのだが、いやぁ体力(経済力)あるなぁと。初期費用に寄付か募金のような形で集めたお金をあて、市民が参加し、市民の理解が得られるような工夫もしたらしい(聞き漏らして、あとから他の参加者から聞いた・・・)
太和江展望所からのパノラマ撮影。ちょっと無理があったか。

河岸はこんな感じ。多自然工法というものか?
あとは、対岸に渡って竹やぶを歩いた。かつて、地下茎が土地をつかんで洪水に強いとかで植えられてたことに習い、植えたそうだ。マダケの様々な品種が植えられていた。加藤清正も同じようなことをしたと聞いたことがある。この、タケを植えたことで、多数のミヤマガラスが越冬地として利用することになった。

 その後は、太和江の水質浄化に一役買った、屈火水質改善事業所。うん、浄化してた(略)

 夕暮れ近くなり、ミヤマガラスの群れが見れるスポットに。川のすぐ近くまで街が迫っているが、川をのぞむビルの一階にビジターセンターがあり、その正面が観察スポットになっている(写真撮り忘れた)。ビジターセンターはカフェのような内装で、そこでコーヒーでも飲みながらカラスが寝床に集まるのを待ち、集まってきたらポッとあるいてカラスを見る。この利用しやすさは、なかなかにすばらしい。
カラスの群れ。ミヤマガラス7、コクマルガラス3くらいの割合らしい。


日も暮れたので夕食会。でも写真撮り忘れた・・・